ART FORME 松城

比類無き存在感

アートフォルムシリーズのランドマーク的存在として、群を抜いて贅を尽くした、アートフォルム松城。
緑に包まれた浜松城公園を眼下に、浜松の極めて正統的価値を備えた立地を得、煌々たる風格を纏う。
街並みから仰ぎ見るそのシルエットは、歴史と文化を継承する地にこそふさわしい、
建築美学の結晶というべき傑作。

歴史の浪漫が馨る

バスルームから悠然と眺める、浜松城の天守閣。
家康が天下統一への足掛かりとして築城し、出世城と異名を取った。
岡崎城を出た築山御前は、佐鳴湖を経てこの城に向かう途中、波乱の生涯の幕を閉じた。
今は緑深い禅刹で安らかに眠っている。
積み上げられた長い歴史が、アートのある日常に添える、遠き浪漫の馨り。

歳月とともに増す、本物の価値

九十一年の生涯に八百件を超える設計を残したF.L.ライトだが、
実現した作品のほとんどは母国アメリカに作られている。
今、彼の現存作品に出逢えるのは、母国をのぞけば日本だけである。
アートフォルム松城は、ライトが標榜した「オーガニック建築」の思想を受け継ぎ、
巨匠へのオマージュとして設計された。

伝説の私塾、齋藤塾

一流の政財界人を育てた伝説の教師が、かつてこの場所に住んでいた。
九十二歳まで教壇に立ち、没後、塾が門を閉じて早や二十年以上。
今でも門下生たちが誇りとし、恩師として仰ぎ慕う齋藤謙三。
権威を嫌い、私塾として英語、数学、礼儀作法を厳しく教えた齋藤塾の魂は、
ここ松城の地にも宿っている。