ART FORME 廣澤
美とともに目覚める
人々が語らい、安らぐ空間には広さはもちろんだが、それ以外に必要なものがある。
エントランスホールには、廣澤出身の洋画家・木津文哉の作品をはじめ、
日本が、彫刻、工芸など数々のアートが、暮らしの傍らに息づく。
帰り着いた人々を迎える、アートフォルムの美の様式。そこから空間は更に大きな広がりを見せ始める。
刻んだ年輪 時を超える価値
無垢材の美しさは長い歳月の軌跡を感じさせる木目の美にある。
年輪が描く「1/fゆらぎ」は、波の音や木漏れ日と同じく、五感に安らぎを与える自然のリズムを持っている。
石は、人類が最初に住居を求めたように、堅固な守りと安息を象徴する。
やがて人は意志の強さの中に優しさと美を見い出し、岩肌に絵を刻んだ。
知と文明の庭、廣澤
大正十一年、帝国議会の決定を受け、廣澤町に官立高等工業学校が設立。
それから四年が過ぎた大正最後のクリスマスのこと。
電気学科の助教授だった若き研究者、高柳健次郎は、ブラウン管に片仮名の「イ」を映し出すことに成功した。
世界に先駆け、この地でテレビジョンの基礎となる原理が発明された瞬間だった。